派手髪にしてから
昔から「やすみちゃんは黒髪が似合うね」と言われ続けてきた。
一度茶髪に染めたことがあったが、どうにもしっくり来なくて、黒髪に戻した。
「自分は黒髪しか似合わない」という呪いにも似た固定観念が生まれたのもその頃である。
時は流れ、今年の8月。
私は悩んでいた。
躁転大暴れの心境で、どうしても髪染めにリトライしたくなったのである。
でも黒髪しか似合わないし、とんでもない色にされたらたまったものではない。
でも染めたい。その想いはゆるぎないものとなった。
どうせ染めるならちゃんとしたところで染めてもらおう!と思い、友人に連絡。
すると、アーティストなどが利用しているヘアサロンを紹介してもらった。
そこのInstagramを見ていると、ありとあらゆる派手髪のオンパレード……。
「派手髪にしたい!!!!!!!!!!」
ということで、人生初ブリーチ、人生初派手髪を敢行することとなったのである。
今回お伺いしたのは雨小屋さん。
緊張と興奮の中、乗り換えをミスって10分遅刻するという大失態をかました。
優しいお姉さんで助かりました。
話をしながらカラーを決めていくため、予めDMでやり取りをしていた。
私の要望は「ピンクにしたい。緑メッシュいれたい」で、事前に写真を用意していた。
すると「ダブルカラーだとこの色を出すのは難しいかも……」と言われた。
数は多ければ多いほど強いという法則に則りトリプルカラーにした。
これは一番最初のブリーチをしている時の写真。
ぼ~っとしていたら気づくと髪の毛が黒くなくなっているではないか!!!
感動。
ずっと「ええ~やばいですね!!!」と言っていたと思う。
続いてメッシュ部分のダブルブリーチと、それ以外の部分にくすみを投下。
しばし待つ。
こういう韓国人アイドルの髪型の人いませんか?
雨小屋さんはアパートの一室を借りて営業しているため、他の美容院とは雰囲気が違って面白かった。
後ろの絵もそうだが、全体的にアーティスティックなイラストが施されていて、なんと喫煙OKらしい。
ブリーチ有りのヘアカラーを体験したのが初めてだったのでこの時知ったのですが……
髪の毛染めるのすげ~~~~~時間かかる
だから喫煙OKなんだね!
染めたい人は余裕を持っていくことをオススメします。
最後にメッシュの緑色と、ピンク色を重ねて完成です。
疲れた。
最後に髪の毛を洗ってもらっていると、
「あれ……お姉さん、独歩になってませんか?」
「え……独歩でオーダーしたつもりないですけど……」
という会話が発生した。
独歩とは?
ヒプノシスマイクの営業マン。多分一番人気。
気になる人は検索してみよう!
2人ともヘトヘトになりながら、なんとか全工程が終了した。
やすみはどのように変貌したのか!!!!?!?
🎵劇的ビフォーアフターの音楽🎵
以前はオシャレにも無頓着だったやすみさん。
「黒髪はコスパがいい」「ショートは風呂が楽」などとのたまい、この日まで髪染めを避けてきました。
それが……
なんということでしょう……!
観音坂独歩に……なっています……。
8月にも関わらずくすみピンクという春を想起させる鮮やかなカラーに
緑メッシュは「推し色を見につけたい」という野蛮な欲望を形にしました。
観音坂独歩は推しではありません。
困ったことに「似合ってしまった」んですよね……。
派手髪が似合うならもう何でもいいんじゃないかと思えてきた。
そして何よりも「派手髪って猛烈に楽しい!」ということが分かった。
通りすがる人と目が合う回数が増えたとしても、味わい深い爽快感がある。
しかし、可愛い色ほど秒で抜ける。本当に早い。美人より薄命。
「眉毛がださい」と言われてしまうくらいには明るくなってしまった。
でもそれはそれで可愛い色だし、あまり気にしていない。
眉毛は気にしますが……。でもどうやって染めたらいいか分からずにここまできている。
ブリーチ本来の色が見えてくるようになり、根本が黒くなってくるのもネック。
髪を染めるということは散財であり、忍耐であり、幸福であると学んだ。
もう一回根本だけブリーチするか~、でもどうせなら
バカみたいな色に染めたいな~~~~
染めました。赤ピンクも似合っちゃったんだわ。困った。
赤ピンクにしたかったのは、最上もがさんが似たような色に染めていたから。
基本的に美容院に行くときは最上もがさんの髪形を見せていたので、ここまできたら色も同じにしようと思ったのだ。
もう絶対この世の主人公カラーでしょ。1Pカラーでしょ。ロトの血を引く者でしょ。
派手髪本当に大変だけど本当に楽しい。
実は、髪を染めることに対して躊躇していたのにはもう1つ理由があった。
それは「ブリーチが痛い」という噂。
昔、母親が派手髪にしていた時、ブリーチが痛かったという話を聞いていた。
今回髪を染める前に別の美容院でカットをしていたのだが、カラーをする話をすると担当の美容師さんが途端にニヤニヤし始め
「ふ~ん……ブリーチは……痛いよ……(笑)」
と随分ためながら教えてくれたので、すっかり縮こまってしまった。
しかし、やってみたところ全く痛くなかったのである。
そこで気づいた。
「カラコンも痛くないんじゃない?」
数年前に友人から「絶対にカラコンはつけたほうがいいよ!」と言われていた。
私は三白眼の上に外斜視なので、怖がられることが多く、確かにそうだろうなと思っていた。
かといって、目に異物を突っ込むのは怖い。そういう理由でつけずにいた。
しかし、ブリーチを乗り越えた今、私に怖いものは無い。主人公だし……。
つけちゃった~!!!!!
カラコンかわいい~~やった~~~!!!
でもカラコンめっちゃ高い~~~やだ~~~!
毎日カラコンを目にぶちこんでいる若者はどこから資金を得ているのだろう。
ていうか毎週髪色変わってるみたいなインスタグラマーとか怖い。
絶対将来闇金ウシジマくんみたいな人生を歩むじゃない。
私も気を付けよう。
最近よく「幸せになりたい」とぼんやり考えることが多かった。
しかし、それは結局「大成した後の何か」を空想していただけで、周囲を見れば小さな幸せがたくさんあることに気づいた。
家族関係は良好だし、学校も頑張れば卒業できそうだし、ご飯はおいしいし、眠れるようにもなった。
猫はかわいい。お寿司はおいしい。可愛い女の子は素敵。ツイッターは面白い。
こう思えるようになったのは周囲の人間のおかげであり、そして……
躁転のせい!!!!!!!!!!!!!!
ぜ~んぶ躁転!!!!!!!!!!!!
どうせ鬱になったらダメになる!!!!!
とまあ「どうせダメになる」と構えておくのが躁転の正しい扱い方だと思う。
躁転も悪いことばかりではないので、こうして創作に昇華したり、卒論に取り組むのに利用していくつもりだ。
最後に……
この世の主人公になりたいなら派手髪にしろ!
おわりでーす